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前編では、ペルソナ設定が必要な理由や、ペルソナ設定のメリット・デメリットについて解説しました。
ペルソナ設定が重要であることがわかったら、次は実際にペルソナを作ってみましょう。
ここで手を抜いてしまうと、コンテンツマーケティングの目的が達成できません。時間と手間はかかりますが、しっかり作り込みましょう。今回はペルソナの作り方をご紹介します。
そのためには、
・Webサイトが「誰に」「どのくらい」見られているか、現状を把握すること
・Webサイトで集客するための目標を設定すること
この2つがマストです。そしてそのためには「アクセス解析」が必須なのです。
アクセス解析というと難しく感じるかもしれませんが、心配はいりません。
基本の段階では見るべきポイントはわずかです。
この記事では「アクセス解析」について、読むだけで実践できるように、
できるだけ簡単に・具体的にまとめました。それでは実際にやっていきましょう!
ペルソナは、次の4つのステップで作成します。
1. ターゲット層の設定
2. ターゲット層の実態を調査・分析する
3. 抽出した変数をグルーピングする
4. ペルソナに落とし込む
それぞれのステップの詳細を解説します。
なんのイメージもないまま、いきなり一人の個人プロフィールを設定するというのも、なかなか無理な話ですよね。
そこでまずはターゲット層を考えることから始めます。ターゲット層>ペルソナとなりますので、まずは大まかな部分を決めるということですね。
すでに自社の顧客である層をよく確認し、ターゲット層を考えましょう。
ターゲット層が決まったら、その中でも特にこれからファンになって欲しい人、商品を購入して欲しい人の実態を調査・分析します。
具体的には、インタビューやアンケートの実施や、すでにサイトがある場合はアクセス解析を行いましょう。
インタビューやアンケートによって収集したい情報の具体例は次のとおりです。
● 年齢、性別、家族構成、居住地、勤務地、学歴、職歴、年収
● 性格、趣味
● 大切にしている考え、人生や仕事におけるゴール
● 嫌いなこと、もの
● 商品やサービスを購入する目的、理由(購入に関する価値観)
● 情報収集の方法、使用するツールまた頻度(テレビ・PC・スマホ・チラシ・SNSなど)
● 心配事や不満、解決したいこと
収集したデータを分析し、デモグラフィック変数とサイコグラフィック変数を抽出します。
デモグラフィック変数とは、年齢、性別、職業、家族構成、学歴など、客観的・外面的な特性のこと。
サイコグラフィック変数とは個人の趣味、嗜好、性格、価値観といった、個人の主観・内面の特性のことです。
特にペルソナ設定では、サイコグラフィック変数が重要です。
変数が抽出できたら、共通項を見つけてグルーピングしていきます。
よく利用するメディア・ツール、よく購入されている商品・サービス、好きなブランド、好きな場所など、自社の必要に応じた項目でグルーピングをすると良いでしょう。
ここでいよいよ、ペルソナに落とし込みます。
年齢、性別、家族構成、住所、仕事、趣味などの、ベースとなるプロフィールをまずは設定しましょう。そこから1日の行動パターンを練り込んでいきますが、特に消費行動パターンの設定はしっかりと行うことをお勧めします。
架空の人物ですが、名前がないと感情移入がしづらく、良い発想に結びつかないかもしれません。そこでペルソナに名前をつけたり、顔写真や似顔絵を与えたりすることで、部や社内全体でイメージを共有することも効果的です。よりリアリティを持ってその後の展開を考えられるようになるでしょう。
上記の手順で作ったペルソナの具体例を紹介します。
今回は、新しい化粧品開発を進める場合のペルソナはどんなものになるか考えてみましょう。
「広告代理店に勤めている営業職の34歳女性、独身。名前は北川綾乃。年収は500万円。4年付き合っている彼氏がいるが、相手も自分も結婚に踏み切れない。今後のことも考えると、中身も外見も自分磨きは欠かせないと思っているので、自己啓発や美容には毎月それなりのお金を費やしている。30歳を過ぎた頃からお肌の衰えを感じていたが、35歳を前にしてさらに化粧ノリが悪くなったことに悩んでいる。スキンケア化粧品だけでなく、メイク用化粧品にもスキンケア効果のあるものを選びたいと思っている。」
情報が多く、かなり人物像を思い浮かべやすいものですよね。ペルソナとは、属性ではなく一個人の具体的なプロフィールを表すものです。
実際にペルソナを作る際には、このように具体的な人物が思い浮かべられるように設定してみてください。
今回は、ペルソナ設定の方法について解説しました。
コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設定は必ずしも1つとは限りません。コンテンツごとにペルソナ設定をし、より満足度や質の高いコンテンツを作っていくこともあります。
「みなさん」と呼びかけられて始まった話と、「○○さん」と個別に呼びかけられて始まった話とでは、どちらが内容や気持ちが届きやすいかといえば、もちろん後者です。コンテンツマーケティングにおいても、その他大勢に向けたコンテンツではユーザーに届けるのは難しいのです。
たった一人のペルソナに響くコンテンツを考えることは、コンテンツを通して「○○さん。」と呼びかけることなのではないでしょうか。効果を上げるためには、このペルソナ設定が非常に重要です。